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18. 獲物を見定める視線

last update 最終更新日: 2025-11-07 11:20:15

 煌びやかな謁見室で無事爵位を下賜されたタケルはその晩、記念パーティの席上に居た――――。

 ジェラルドのはからいで高級レストランを貸し切って、ジェラルド陣営の貴族たちも続々とやってくる。

「やぁ、グレイピース男爵。お話はかねがね。私は子爵のヴァルデマー。これからよろしく頼むよ!」

 グレーの帽子をかぶったパリッとした紳士が握手を求めに来た。隣にはピンクのドレスを着た可憐な少女も並んでいる。

「何もわからない新参者です。どうぞご指導のほどよろしくお願いします」

 サラリーマン時代に鍛えた営業スマイルで胸に手を当て、握手に応えるタケル。

「うん、うん、何でも聞いてくれたまえ。……、で、これがうちの娘……。ほら、挨拶しないか、マデリーン」

「は、はい……。あのぉ……」

 マデリーンは十三歳くらいだろうか? 端正な顔に上品な雰囲気、さすが貴族令嬢である。ただ、ひどく緊張していて言葉が出てこない。男と話しなれていないのかもしれない。

「そんな緊張されなくて結構ですよ。今日は特別に美味しい食事も用意していますからゆっくり楽しんでいってください」

 タケルはニッコリとほほ笑んだ。タケルはこの世界ではまだ十八歳だが、精神年齢はアラフォーである。基本的な社交の会話は無事にこなせていた。

 マデリーンは恥ずかしそうにこくんとうなずくと、子爵の腕にギュッと抱き着く。

「おいおい……。箱入り娘なもので、申し訳ない」

「いえいえ、素敵なお嬢様ではないですか。将来が楽しみですね」

「おぉ、そうかね? それじゃ、今度改めて食事でも……どうかな?」

「はい! 喜んで!」

 タケルは満面の笑みを浮かべ、ノータイムで答える。『こういう時は何でもこう言っておけ』とマーカスに言われているのだ。

 子爵は嬉しそうに笑い、ボソッとマデリーンに何かをささやいた。

 マデリーンは顔をボッと赤く

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